日本の産業医育成の現状と課題(第1部「産業医制度」,<特集>産業医と労働安全衛生法四十年)

  • 森 晃爾
    産業医科大学産業生態科学研究所産業保健経営学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status and Issues in Development of Occupational Physicians in Japan(1. Social system for occupational health physicians,<Special Issue>Occupational Health Physicians and Four Decades of Industrial Safety and Health Law)

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労働安全衛生法の制定以来,産業医育成のための諸制度が構築され,専門性向上のための仕組みが充実してきている.一方,企業を取り巻く環境や労働者の働き方の変化によって,産業医活動のニーズは多様化している.産業医を,医師としての活動時間の一部を産業医業務に割り当てる「役割として産業医を果たす医師」と,活動時間の多くを産業医業務に割り当てる「産業医を専門的な職業とする医師」,および企業単位の産業保健や労働衛生機関における産業医活動を統括する「リーダー的産業医」に分けて,その育成制度の課題を検討した.「役割として産業医を果たす医師」については,事業場での産業医として役割を果たすことができる質の確保が課題と考えられ,「産業医を専門的な職業とする医師」については,供給の絶対数が不足していることが課題と考えられた.また,「リーダー的産業医」については,通常の産業医の育成プログラムに加えて,リーダーシップやマネジメント能力に相当する資質向上が必要と考えられた.その上で,それらの課題について,今後のあり方を考察した.

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