数値モデルを用いた惑星大気研究と地球流体電脳倶楽部 DCMODELプロジェクト(宇宙科学情報解析論文誌 第三号)

書誌事項

タイトル別名
  • Researches on planetary atmospheres using numerical models and GFD-Dennou Club DCMODEL project

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説明

惑星大気探査と数値シミュレーションとは惑星大気研究に欠かせない手段である . さらに近年の惑星大気探査においては , 数値シミュレーションモデルはその計画立案や観測データの整理提供において , 不可欠な道具となりつつある . 一方で , 大気の数値シミュレーションモデルは複雑化巨大化しており , 一個人の研究者が掌握し , 開発・維持・提供していくことは困難なソフトウェアとなっている . その困難の一つに , いわゆる「モデルギャップ問題」がある . シミュレーションモデルの正当性を担保し維持向上させていくためには , 様々な複雑度をもつ数値モデルによる数値計算を実行し相互比較することにより , 計算の正当性を吟味することを行わなければならない . モデルの複雑化巨大化はこのような相互比較による検証作業を極めて困難にしている .「モデルギャップ問題」を克服することの試みとして , われわれは地球惑星流体研究のためのさまざまな複雑度を持つモデルを階層的に構築し , 整備するボランティアベースの活動「dcmodel プロジェクト」を行ってきた . ソフトウェア開発においては以下の点に留意している : 1) 様々な複雑度のモデル群 . 2) 共通の「型」を持ったモデル群 . 3) 誰でも使えるモデル群 . 4) 様々な規模の計算機で実行できるモデル群 . 5) 解説文書の整備されたモデル群 . このような階層的モデル群は , 複数のモデルによる複数の数値実験実現を容易にし , 惑星大気現象の理解と惑星大気シミュレーションモデルの開発につながることが期待される .

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1570854177949250176
  • NII論文ID
    110009799482
  • NII書誌ID
    AA1192675X
  • ISSN
    13491113
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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