2009年ブドウ灰色かび病多発年の気象条件再現による感受性品種「キャンベル・アーリー」の花穂被害の原因解析

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抄録

2009年に青森県南部地方において「キャンベル・アーリー」の花穂が,灰色かび病により甚大な被害を受けた。要因の一つとして「新梢伸長期」から「開花10日前」の降雨を伴った低温多湿の気象条件が考えられた。そこで2011年に「新梢伸長期」,「開花10日前」および「開花直前」の花穂をそれぞれ採取し,人工的な低温多湿条件下(温度13℃湿度90%)において,花穂被害の発生経過を調査した。その結果,いずれの時期に採取した花穂も灰色かび病菌が既に付着,または感染していたと推定され,多くの花穂が激しく発病した。以上の結果から「新梢伸長期」から「開花10日前」頃にかけての降雨を伴った低温多湿条件が,2009年における花穂被害の多発要因の一つであると結論した。また,「新梢伸長期」から「開花直前」の時期が重要な防除時期であるという従来の知見が再確認された。

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