酸性土壌の中和
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抄録
わが国では年間降水量が蒸発散量を超え,土壌は塩基成分が洗脱されて酸性に傾く。従って畑地においては土壌酸性の判定と,作物生育に最適なpHを保つための石灰質資材の施用量の算定が必要となる。石灰質資材として一般には石灰岩粉末(炭酸カルシウム)が用いられるが,地方によってはカキ殻なども用いられる。以下に,炭酸カルシウムの適切な施用量についての研究経過を述べて,各位の参考に供したい。わが国で早い時期に酸性土壌の判定と石灰施用量について論文を発表したのは大工原・阪本(1910)である。彼らは外国の成果を広く参照し,わが国の土壌に適用を検討した。先ず,土壌酸性の検定には,良質のリトマス試験紙による方法をあげた。次に,土壌の酸性反応を呈する原因には従来知られている主なものとして,腐植酸類と酸性包水珪酸塩類をあげた。この包水珪酸塩類は,一般的な粘土鉱物に相当する。そしてこの粘土鉱物の酸性の量的測定法として,塩化カリウム法をあげた。
収録刊行物
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- 日本土壌肥料學雜誌 = Journal of the science of soil and manure, Japan
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日本土壌肥料學雜誌 = Journal of the science of soil and manure, Japan 87 (1), 78-79, 2016-02
日本土壌肥料學會
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1570854178258989184
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- NII論文ID
- 220000151620
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- NII書誌ID
- AN00195767
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- ISSN
- 00290610
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles