胃 gastrointestinal stromal tumor (GIST) の臨床的特徴

  • 神田 達夫
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野
  • 西倉 健
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子・病態病理学分野
  • 畠山 勝義
    新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器・一般外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical characteristics of stomach GIST

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説明

胃GISTの多くは, これまで胃平滑筋肉腫として扱われてきた。自験例22例と文献的報告をもとに胃GISTの臨床的特徴を明らかにする。胃GISTは癌腫の2~3%の発生頻度であり, 比較的稀な腫瘍である。一方, GISTは胃粘膜下腫瘍の最も多くを占め, 臨床的に重要な疾患である。消化管出血や腹痛が主たる症状であるが, 本邦では検診など無症状で見つかるものも多い。50~60歳代が好発年齢であり, 胃の上部三分の一に発生することが多い。外科的切除が治療の原則であり, 小さいものでは局所切除が好んで行われる。再発形式としては肝再発, 腹膜再発が多くを占める。欧米では予後不良の疾患とされているが, 本邦からの報告では5年生存率は80%前後であり, その予後は悪くない。GISTの概念や定義の確立とともに, 胃GISTとしての臨床データが蓄積されてゆくことが望まれる。

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