<論文>子どもの「嗜虐性」と不平等社会の病理 : 「いじめ」発生の背景を探る
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- 伊藤 隆二
- 東洋大学文学部(臨床教育心理学)・児童相談室
書誌事項
- タイトル別名
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- <Articles>A Social Study on Child's Liking for Brutality
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説明
子どもの「嗜虐性」の発生機序を単に人間関係の葛藤や軋轢から解明するだけではなく,現代社会の不平等性にもメスを入れる必要がある。ここに報告した4事例から,いじめる子どもには実存的空虚感,「甘え」への欲求不満,恥の意識の希薄化,それに畏怖の念の消失などが共通していることが示唆されたが,これらは不平等性を助長する社会に生きることから生じたことを解明した。そこで子どもの「嗜虐性」発生を阻止するためには不平等社会を真の平等社会へ転換させる教育を開始する必要がある。その教育は人間の尊厳性を基軸とした平等の精神を社会に取り戻すいとなみであり,それはトランスパーソナルな視点から構築されるものである。
収録刊行物
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- 東洋大学児童相談研究
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東洋大学児童相談研究 18 1-15, 1999-03
東洋大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571135651789883264
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- NII論文ID
- 110000183965
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- NII書誌ID
- AN00109426
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- ISSN
- 02885247
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles