汽水湖油ケ淵の水質分布(第2報)

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抄録

小汽水湖油ヶ淵の表水層水質データ(1972年4月~1983年3月)の時系列解析を行い,湖水質の経年及び季節変動を検討した。また基本水質項目の鉛直分布についても調べた。1)経年変動では,BOD,全リン(T-P)にそれぞれ,1.7%/年,7.7%/年程度の増加傾向が,またケルダール態窒素(K-N),懸濁物質(SS)に1.9%/年,3.0%/年程度の減少傾向がみられる。2)季節変動は,溶存酸素(DO)飽和度を除く水質項目で明瞭(振幅:指数として約0.8~1.6)であり,それらの原データの変動に占める割合は約22~92%と算出された。BOD,COD,K-N,T-Pは1~3月高く,7~9月低い変動パターンを,SSは1~5月に漸増,以降は低値となる変動パターンを示す。3)湖水質のレベルと季節変動パターンは流入河川水質のそれらに近似する傾向が強いが,BOD,COD,SSについては湖内での生産活動や沈殿作用の影響を示す差異もみられる。4)塩濃度差密度成層の躍層の位置と傾度は冬期に上昇,増加する。pH,DOは上記密度成層と密接に関係した鉛直分布を示す。

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