A Formula for Marital Happiness : What Analyses of Verbal and Nonverbal Communication Patterns Can Tell Us

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抄録

本稿では,夫の問題飲酒を主訴とする夫婦関係上の問題のために,カナダ,トロント市にあるオンタリオ州アルコール・薬物嗜癖研究財団の外来治療部で,結婚療法を受けたカナダ人夫婦12組のうち,関係が特に好転した4組,逆に関係が特に悪化した他の4組について,相互作用のパターンが治療前と治療後でどの様に特徴的に変化したかを分析した。デー夕は,面接の逐語録と録音テープから,夫婦の発話行為の一つ一つについて言語的および非言語的側面を,Couples Interaction Scoring System(Gottman et al., 1976)をもとにカテゴリー化したものである。これにより,相互作用エピソードはカテゴリカルな反応の系列に変換され,その中に特徴的に見られる反応の「すじ(筋)」をいくつかのパターン毎に分類するために,双対尺度法を用いた。なおカテゴリー化は,2人の観察者がそれぞれ独立に行った。両者の判断の一致率は言語(内容)的側面について84.6%,非言語(感情)的側面について92.8%である。分析の結果,非機能的夫婦関係では,1)否定的感情の反復・連鎖,2)議論の進め方に関する議論(メタ議論),3)相手の持つ感情の否認や腹の底にあることへの否定的・曲解的なコメント(否定的感情の追跡)などが見られた。一方,機能的夫婦関係では,1)肯定的感情の反復・連鎖,2)問題解決に交渉の議論を絞り,また解決案に合意を得るために外交手腕を発揮すること(効果的交渉),そして3)友好的に相手の気持ちを汲み,また相手の感情に対し無条件に肯定すること(夫婦間のラポール)などが認められた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571417126748836736
  • NII論文ID
    110000466862
  • NII書誌ID
    AN10022335
  • ISSN
    09120939
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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