X連鎖優性Charcot-Marie-Tooth病(CMTX 1)における臨床表現型と遺伝子型

  • 糠澤 達志
    神奈川県リハビリテーション病院・神経科
  • 斎藤 豊和
    北里大学医学部・内科学
  • 由村 健夫
    九州大学脳研究所・神経内科 社会保険下関厚生病院脳神経センター・脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Phenotype and Genotype in X-linked Dominant Charcot-Marie-Tooth Disease (CMTX 1)

この論文をさがす

説明

X連鎖優性Charcot-Marie-Tooth病(CMTX 1)の1家系の臨床,分子遺伝学的検討を行った。臨床症状において,排骨筋群の萎縮は必ずしも伴っておらず,凹足など足部の変形を呈しやすかった。末梢神経伝導速度は中等度低下をきたし,進行により誘発不能となった。腓腹神経生検組織は有髄線維の著明な減少を呈したが,脱髄,軸索変性像の特徴は示されなかった。女性例では,無症候例と筋力低下,筋萎縮の明らかな顕性例とが併存した。分子遺伝学的検討では,connexin 32遺伝子の点変異,Trp 132(GGT)→stop codon(AGT)が認められ,男性患者はヘミ,女性患者は全てヘテロ接合体であった。CMTX 1の女性例は男性例よりも軽症であり,その表現度には差異がみられた。表現度の差異が遺伝子発現にどの段階で生じるのか,今後検討する必要がある。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 32 (1), 1-8, 2002-02-28

    北里大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ