ネコのコレラトキシン誘発けいれん : 扁桃核発作の二次性全般化の研究モデルとしての有用性

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental Model of Secondarily Generalized Convulsion Induced by Cholera Toxin in Cat

この論文をさがす

抄録

コレラトキシンはアデニル酸・シクラーゼを活性化し,cAMPを増加させる作用を有しているが,ラットの脳内微量注入によりけいれんを誘発することが知られている。本研究はこのけいれん誘発作用をネコで確認するとともに,扁桃核に局所注入した場合,辺縁糸部分発作の二次性全般化機構の研究モデルになり得るかどうかの検討を目的とした。成熟ネコを用い,100μg注入群(5匹),200μg注入群(5匹),蒸留水注入群(3匹)につき行動観察および脳波学的分析を行った結果,コレラトキシン注入群全例に注入側の扁桃核に発作性の脳波異常を認め,200μg注入群の3匹には21〜40時間後に二次性全般化けいれんへの発展が観察された。これらの知見からネコにおけるコレラトキシン誘発けいれんのけいれん研究モデルとしての有用性を,ラットによるもの,また他のけいれんモデルと比較検討した。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 16 (6), 374-384, 1986-12-31

    北里大学

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ