12.蛋白同化ホルモン・プリモボランデポが著効を呈した癌性胸膜炎(乳癌の一例 : 第18回支部活動 : 関西支部

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説明

蛋白同化ホルモンが著効を呈したと考えられる乳癌の癌性胸膜炎の1例を経験したので報告する.患者は61才女子.44年7月に右乳癌のため右乳房全州術を受けた.46年3月に咳が続き,胸部X線写真で肺紋理の増強を指摘され,6月には両側胸腔に胸水貯留をきたし,本院に入院.胸水の細胞診は陽性で,前胸壁と腹壁の皮下に結節がありその生検で乳癌の転移が認められた.抗癌剤の胸腔内注入も効なく,胸水貯留の速度は早く,頻回の胸水排除を必要とし,著しい衰弱をきたした.そこで,蛋白同化ホルモン'プリモボランデポ200mg/wの投与を開始したところ,胸水貯留は認められなくなり,8ヵ月後に軽快退院した.退院後6ヵ月の現在も健在である.蛋白同化ホルモンのアンドロゲン作用が効を奏したものと考えられ,文献的考察を加えて臨床経過を報告した.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 13 (2), 121-, 1973-06-25

    日本肺癌学会

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