The Basics of Human Relations at the Workplace Re-examined
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- 相原 章
- 成城大学
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説明
本研究では、組織メンバーの「仕事意欲」とそれに影響を与える「他者の役割」が、職場組織の人間関係によくみられる一場面と想定し、その中でも、第三者による「承認」言動と作業担当者の「作業の継続性」との関係について検討を進めている。仕事意欲に関する取り組みや研究の多くが、それの向上に影響を与える要因の探求を目指すものであるのに対して、Ariely (2010)やAriely, Kamenica, and Drazen (2008)の実験に倣い、それを低下させる要因である「作業の有意味・無意味」といった構成概念を確認する研究であると言える。一連のラボ実験の結果から、幾つかのファインディングスを確認することができた。中でも特徴的な点として、被験者による、作業の有意味・無意味という構成概念の存在である。それはその後の作業継続の判断基準になっていると考えることができ、限界作業量に影響を与えるものである。また、職場組織の効率的な運営を確認するために採用した留保賃金、すなわちコストの増減にも関連する。ただし、内発的動機づけに働きかけない単調作業のような場合には、個人が当該作業をたとえ有意味であると認識しても、彼ないし彼女は合理的な判断を下す傾向が強くみられる。今回の実験結果から実践に展開可能なインプリケーションの一つは、至ってシンプルなものである。それは個人が行っている作業を無意味化せず、そのように認知させないことである。合理的な説明が難しい場合には、作業担当者が投下した労働を無駄にするような言動は避けなければならないのである。
収録刊行物
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- 日本マネジメント学会全国研究大会報告要旨集
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日本マネジメント学会全国研究大会報告要旨集 (68), 73-76, 2013-10-18
日本マネジメント学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571417127884080384
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- NII論文ID
- 110009661741
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- NII書誌ID
- AA12545456
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles