和歌山県の森林土壌における炭素蓄積量

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森林吸収源インベントリ情報整備事業によって得られたデータを用いて,和歌山県内の森林土壌の炭素蓄積量を推定した。その結果,以下の知見が得られた。1. 深さ30cmまでの平均的な森林土壌には,枯死木0.41kg/m2,堆積有機物0.62kg/m2,土壌5.09kg/m2(3プール合計6.24kg/m2)の炭素が蓄積されていた。これらの値のばらつきは,かなり大きかった。2. 代表土壌断面(深さ1m)の土壌炭素量は9.51kg/m2であり,深さ30cm土壌の1.86倍に相当した。3. 土壌炭素量を規定する環境要因については,A層が厚いほど土壌炭素量は多く,石礫率が高いほど土壌炭素量は少なくなっていた。しかし,土壌炭素量と林齢,標高,斜面傾斜との関係は,林種や土壌層位によって異なっており,これらのばらつきを,本事業の調査結果だけで説明することはできなかった。4. 和歌山県の平均的な森林土壌(枯死木・堆積有機物含む)には,一般的にみられる6-7齢級のスギ・ヒノキ林地上部と同程度の炭素が30cmまでに集積していることが分かった。

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