ヤンマー「スマート アシスト リモート」システムについて

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抄録

昨今の日本農業を取り巻く環境は,高齢化,減反廃止,消費税アップ,TPP,食のスタイルの変化等,劇的に変化している。そのような内的,外的環境の中,日本の農家は"変わること"を余儀なくされており,大きな変化点にあることは承知の通りである。すなわち,農家の2極化であるが,この変化はますます加速している。以上のような大規模化や農地の集中に伴い,農業機械,従業員,作物品目,圃場枚数も増加し,マネジメントに要する時間やコストが増大している。経営者側からするとそれらマネジメントが膨大・複雑化すると同時に,いかに上手くマネジメントするか,いかに簡単に農作業,農業経営の見える化を実践するか,というニーズが年々高まってきている。一方近年,IT技術が格段に進んだ結果,前述のような農業経営のマネジメントを支援するツールとしての,スマートデバイスやIT機器・システムの農業利用が進んでいる。以上のことから,経営の大規模化に伴って,必然的にマネジメントに掛かるコストが増大するが,それを支援するITシステムに求められるものとして,まずは(1)本当に利用価値のある支援コンテンツであること,(2)経営者やオペレータの方々の負担にならないように簡単に使えること,(3)リーズナブルなコストであること(費用対効果),が必要不可欠であると考える。また,全く違う視点で,農業経営の根幹を揺るがすような農業機械の盗難事件が近年急増しており,(一社)日本農業機械化協会では,平成25年1月より「農業機械盗難被害情報共有システム」をスタートし,盗難被害にあった農業機械情報を農機流通関係者・行政・警察・税関などと共有することで,被害機の転売阻止を業界を挙げて取り組み,容易に流通しにくい環境作りを行い,犯罪抑止力に繋げていくことを進めている。しかしながら,窃盗団の手口はどんどん巧妙化しており,いくつかの盗難防止のツールや手段を組み合わせて,対処しなければならなくなっているのが現状である。以上のように大規模化が進む現在の日本の農業が抱える課題に対して,ヤンマーは機械の稼動情報を起点とした,マネジメントツールである「スマート アシスト リモート」を用いた,課題解決の一助となるであろうソリューションモデルを提案する。

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