タイにおけるコメのポストハーベスト技術の現状

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近年の世界穀物事情は,中国等の肉食化(牛肉志向)による飼料穀物の需要増加,アジア・アフリカ等途上国での人口増加により,需要と供給が拮抗している。このような中で世界の水稲作の7割が中国,インド,インドネシア,バングラディシュ,ベトナム,タイ等の東南アジアとその周辺諸国で生産されている。世界における米の種類,並びに東南アジア諸国の中で世界的なコメ輸出国であるタイのポストハーベスト技術を概説する。タイをはじめとする東南アジア諸国におけるポストハーベスト技術は,収穫した籾の荷受け,乾燥,貯蔵,籾摺り,精米,出荷までを一つの工場で行われており,籾殻や糠等の副産物が年間を通じて発生する。籾殻は乾燥機の熱エネルギとして利用され,糠は米油の原料として利用されている。日本の場合,産地側の共同乾燥調製施設で籾の荷受け,乾燥,貯蔵,籾摺り,玄米出荷までを行い,玄米は消費地にある精米工場で精米・無洗米加工され市場へ出荷されている。日本の共同乾燥調製施設で発生する籾殻は,シーズン中にしか発生しないため,バイオマスエネルギとしての有効利用が困難な状況にある。コメ流通の世界標準は,白米流通であり,共同乾燥調製施設と精米工場が一体化している。日本においても,このような流通形態をとれば加工コスト,流通コストの低減が可能になると思われる。

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