交通インフラから社会インフラへの発展-\n自律分散型ICカード乗車券システム"Suica"の\n開発・導入と社会インフラ化

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抄録

日本の社会は,少子高齢化,グローバル化などの激変する社会環境の影響を受け変化している.鉄道事業も同様に,従来は安全で正確な輸送を行えば良かったものが,現在は安全性,快適性,利便性などの多種多様で質の高いサービスが求められている.鉄道経営を支える重要なシステムの1つに自動出改札システム(AFC: Automatic Fare Collection system)がある.東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が2001年11月に導入したICカード乗車券システム"Suica"はシステムアーキテクチャーに自律分散技術を使い,トラブルが発生してもシステム全体へ拡大しない仕組みを開発した.この結果,システムの拡張性と信頼性による継続的な高品質サービスの提供を実現した.その後,交通機能を超えた新たなサービスの提供により,Suicaは人々の生活に必要不可欠な社会インフラとなった.本論文では,先ずSuicaシステム開発の課題,導入した技術などを明らかにする.さらに,乗車券のIC化の意義について考察し,交通インフラから社会インフラへと発展した"Suica"インフラの本質について述べる.

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