福祉移送サービスの現状の問題点と課題 : 熊本県A市の有償運送を実施するNPO法人のケーススタディ
書誌事項
- タイトル別名
-
- Problems and challenges of the welfare-oriented special transport service : A case study on the incorporated nonprofit organization operating the project for feasible fare-paying special transport business
この論文をさがす
説明
近年,福祉目的の移送サービス事業主体の規制緩和が行われてきている.そして,近い将来にNPO法人等による介護を付随した有償運送事業が全国的に展開されていくことが予想される.そこで本稿では,障害者や高齢者等,いわゆる「移動制約者」になりやすい人びとの「移動権」を確立していくために,熊本県A市の有償運送可能化事業を実施するNPO法人の事例に着目し,調査結果に基づいて,移送サービスの問題点と課題を明らかにした.これにより,筆者らは今後に続発してくる有償運送を実施するNPO法人に道標を示すことになると考える.結論として,福祉移送サービスを必要とする利用者には,「利便性の問題」「経済的問題」「家庭的問題」「身体的問題」という4つの問題点が存在することが明らかになった.一方,解決すべき課題としては,(1)A市の有償運送可能化事業の対象者を見直すこと,(2)有償運送可能化事業の対象とならない者に対する移送は,道路運送法上の許可を受けるか,若しくは無償で実施せざるをえないため,取り組みにくい状況にあり,規制緩和が必要なこと,(3)有償運送可能化事業は交通空白地域でモデルケース的に実施されているため,2年間という実施期限を延長すること,(4)継続できる福祉移送サービス事業の料金を設定する必要があることが明らかになった.
収録刊行物
-
- 介護福祉学
-
介護福祉学 12 (1), 136-146, 2005-10-01
日本介護福祉学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1571698602810794880
-
- NII論文ID
- 110009564647
-
- NII書誌ID
- AA11428140
-
- ISSN
- 13408178
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- CiNii Articles