イトグモ刺咬症と診断した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Diagnosed as Loxoscelism

説明

48歳,女性。和歌山県有田川町在住。自宅で横臥していたとき左上腕内側にチクンとした痛みを覚え,すぐ近くに褐色のクモを見つけた。約4時間後その部分が痛んで腫れだしたため近医で加療されたが改善せず,6日目に当科受診した。左上腕内側は圧痛が著明で,紫紅色の板状硬結として触れ,さらに左上腕全体が紅色に腫脹し,紅斑は前腕にも及んでいた。徐々に周囲の紅斑,浮腫性腫脹は軽減したが,硬結部は20日目には7×4cm大の限局性黒色壊死病変となった。和歌山県はイトグモ(Loxosceles rufescens)の生息地であり,本症例の経過が典型的であること,他に本症状を説明しうる原因がないことより,イトグモ刺咬症と診断した。

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 7 (2), 253-256, 2008

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1571698602903037824
  • NII論文ID
    130006893198
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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