甜菜根中の造蜜性非糖分,特に有害性窒素について(3)

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説明

筆者等は有害性窒素研究の一環として,甜菜の生育期間中に於ける生育状況と,窒素化合物並びに糖に対する燐酸の影響について調査を行った。その結果は次のごとくである。1. 甜菜の初期生育は燐酸の施用量が多いほどよく,有燐酸区と無燐酸区とのこの時期に於ける地上部生育の差は,収穫期の根部収量に大きく影響する。2. 燐酸施用の有無は,甜菜中の蛋白質の含量に影響し,無燐酸の場合は蛋白質の含有率及び含有量は低い。有害性窒素の含量は多い。3. 甜菜葉中の遊離及び全還元糖の含有率は,無燐酸区はややその趣を異にし,生育初期にきわめて高く,生育最盛期に激減し,後増加する。4. 生育の停滞している甜菜の葉中では,蛋白質の含有率は低く,還元糖の含有率が高い。5. 燐酸肥料の過剰は,筆者等の実験に於ては,生育最盛期に於ける甜菜の生育をやや阻害する傾向が認められる。6. 燐酸倍量区,標準区及び無燐酸区のうち,標準区は根部の収量が最もよく,糖分含有量も多く,且つ有害性窒素の含有量も少ない。

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