高知県にて採集された日本初記録のキホウボウ科魚類Paraheminodus kamoharaiカモハラキホウボウ(新称)

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抄録

キホウボウ科Peristediidaeコウトウキホウボウ属Paraheminodusはインド-西太平洋の熱帯から温帯域に分布する底生性の魚類で,上顎歯がある,頭部縁辺には凹凸がない,左右の下側列の骨板は接しない,および最後部に位置する髭を除いて下唇および下顎の髭はそれぞれ分枝しないという特徴を有する。本属にはコウトウキホウボウParaheminodus laticephalus (Kamohara, 1952),ハナビロキホウボウParaheminodus murrayi (Guenther, 1880),Paraheminodus kamoharai Kawai, Imamura and Nakaya, 2004およびParaheminodus longirostralis Kawai, Nakaya and Seret, 2008が知られ,日本周辺海域からはコウトウキホウボウおよびハナビロキホウボウのみが報告されている。1940年2月に高知県で採集され,P. kamoharaiと同定される1個体の標本が,京都大学総合博物館に保管されていた。本種はスールー海から採集された3個体を基に記載され,それ以降,報告されていなかった。本研究では本標本の形態を記載し,本種の新標準和名を提唱する。

収録刊行物

  • 魚類學雜誌

    魚類學雜誌 64 (2), 175-178, 2017-11

    日本魚學振興會

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