人工飼料育におけるシロヘリクチブトカメムシ(Andrallus spinidens)の産卵性に対する日長の影響

この論文をさがす

抄録

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。25℃飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ