衛星リモートセンシングによる三宅島2000年噴火後の植生回復過程の評価

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タイトル別名
  • The Vegetation Recovery Process in Miyakejima Island after the 2000 Volcanic Eruption Using Satellite Remote Sensing

抄録

三宅島における2000年噴火後の植生の被害拡大及び回復過程を評価するため,衛星画像を用いた解析と現地踏査を実施した。噴火前,噴火後2年以内,噴火後3年以降に時期を区切り,それぞれの期間におけるNDVI最大値画像を作成して統合し,クラスタリングを行った。この結果,三宅島における植生の変遷過程を6パターンに分類した評価図を得た。衛星画像の分類と現地踏査の結果をもとに,三宅島における植生の回復過程について考察を加えた。この結果,衛星画像の分類で示されたパターンは,噴火直後の植生被害の程度とその後の植生回復状況によって解釈することが可能であった。2005年2月には,4年5ヶ月に及ぶ避難指示が解除され,三宅島では災害復旧事業が本格化している。植生の回復は,泥流の発生や土砂災害を防止するとともに,三宅島の自然再生にとって重要な課題となる。しかし,火山ガスの放出は依然として続いており,本研究で示したように,樹木の衰退が続いている地域も認められる。今後も植生の被害,回復状況を適切にモニタリングして,島の復興や生物多様性保全のための計画を効果的に進めていく必要がある。

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