通常、t-out-of-n分散署名ではt人以上の署名者が協力した時、正しい署名を作成することができる。本論文は、署名者の下限のみではなく、上限も指定できる分散署名方式(範囲署名と呼ぶことにする)を提案する。特に上限と下限が一致する場合、署名者数を確認できる署名方式となる。このような性質を目標にした署名方式は、文献[18], [19]で提案されている。ただし、これらの文献では、署名者数に関する定義がなされていない。本論文では、分散署名における真の署名者とはなにかを定義したうえで、範囲署名を定義し、さらに構成法を提案する。範囲署名の定式化、構成法は、文献[15]で我々が提案したものと異なっている。
IPSJ SIG Notes 2005 (70), 187-194, 2005-07-21
Information Processing Society of Japan (IPSJ)