悪性徴候を有する高血圧症の腎機能と循環動態の変化 : とくに診断基準との関係について

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タイトル別名
  • Renal Dysfunction and Hemodynamics Investigated as Markers of Hypertension with Malignant Signs

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説明

悪性徴候を持つ重症高血圧症の診断基準として進行性の腎障害の他に,眼底所見の悪性徴候,著しい拡張期性高血圧が挙げられている。しかし眼底所見と拡張期圧(dBP)の基準は必ずしも同時には満たさない。今回我々はKWIIIないしKW IV型を有する重症高血圧症患者45例について循環動態と腎機能の関係,心不全の発生,dBPの基準の意味を検討した。これらの患者では著しい高末梢血管抵抗型のほか高心拍出量型の高血圧症が認められた。後者では強い腎機能障害を示した。RBF/COをみると,KW III型からKW IV型に進行するにつれてその比は1/10以下になった。また腎機能低下例において高心拍出量性心不全が見られた。dBPの上昇と心不全の発生との間に有意な関係が見られ,心不全は腎機能に重大な影響を与えていると思われた。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 24 (3), 210-216, 1994-06-30

    北里大学

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