死斑面積の数量化による死後経過時間推定への応用

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タイトル別名
  • Studies on the Estimation of the Hours after Death by Area of the Postmortem Lividity

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説明

著者らは死斑面積の簡便な数量化(LP法)を考案した。本LP法は14か所の測定部位(各部に1または0.5の数値を与える)について死斑の有無を判定し,死斑がみられる部位の数値を合計(死斑面積指数)することによって数量化しようというものである。法医剖検例30例について,本LP法(死斑面積指数)と熱傷面積算出法を応用して死斑面積を求める方法(BSA法)との相関性を検討した。その結果相関係数は0.966 (p<0.001)を示し,本指数は死斑面積を示す指標として有効と思われた。つぎに法医剖検例110例について,本指数と死後経過時間(HD)との相関性を検討した。全110例では両者の相関は弱く,本LP法のHD推定上の実用的価値は低いと思われた。そこでこれを主として死因別に分類してみると,両者の相関が強い群(50例)とそうでない群(60例)とに分類でき,特に前者において本LP法はHD推定上有効と思われた。

収録刊行物

  • 北里医学

    北里医学 18 (5), 525-535, 1988-10-31

    北里大学

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