医用画像処理の並列処理による高速化について

  • 萩原 兼一
    大阪大学大学院情報科学研究科コンピュータサイエンス専攻

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人体内部を3次元で撮影するCT画像は, 診断や手術において医者が判断するうえで重要なデータである.このような判断をするときに, 画像位置合せなど計算時間の長い基本処理が必要であり, これらの処理の実時間高速化が望まれている.最近のCT撮影機器は, より短時間でより高精細な撮影が可能となり, 一つのCT画像のデータ量が多くなり, さらにCT画像そのものも多くなってきているので, ますます高速処理が必要となってきている.このような状況のもと, 大阪大学・大学院情報科学研究科・コンピュータサイエンス専攻・並列処理講座では医用画像処理の高速化について研究している.本講演では, そのうち以下のものを紹介する.1)いくつかの基本処理(3次元非剛体位置合せ, 人工股関節の可動域計算)において, PCクラスタにより高速化するときの要点となる負荷分散などに関して述べる.2)さまざまな医療機関からインターネットを介してこの並列処理を遠隔利用するときに, データ転送も含んだ処理全体の高速化に関する考慮点を述べる.3)最後に, 最近プログラム可能となったGPU(Graphics Processing Unit)をこれらの医用画像処理へ適応する可能性に関して述べる.GPUは, 内部に複数の特殊用途プロセッサを装備する並列計算機である.プログラム可能な場合は, GPU本来の用途である描画処理だけでなく, 一般的な計算にも利用可能となる.特殊用途プロセッサを有効利用できるような処理内容によっては非常に効果的である.

Journal

  • IPSJ SIG Notes

    IPSJ SIG Notes 2005 (91), 33-, 2005-09-16

    Information Processing Society of Japan (IPSJ)

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1571980077093821952
  • NII Article ID
    110002812597
  • NII Book ID
    AN1009593X
  • ISSN
    09196072
  • Text Lang
    ja
  • Article Type
    journal article
  • Data Source
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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