男子不妊症の内分泌学的研究 : II. アンドロゲン不応症の頻度
書誌事項
- タイトル別名
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- HORMONAL STUDY OF MALE INFERTILITY : II. Frequency of Androgen Insensitivity
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説明
最近,アンドロゲン不応症による男子不妊症が存在することが報告されたので,その頻度を血中ホルモン値より推測した.androgen insensitivity index {LH(mIU/m1)×テストステロン(ng/ml)}が200以上の場合がアンドロゲン不応症であるとすると,この頻度は無精子症90例中9例(10%),無精子症90例+高度乏精子症22例,計112例中9例(8%)であった.アンドロゲン不応症による不妊症の30%のみが血中ホルモン値より診断出来るとされるので,これを考慮すると,これらの頻度はそれぞれ30%,24%となる.androgen insensitivity indexよりアンドロゲン不応症を診断することの妥当性をみるため,Klinefelter症候群のandrogen insensitivity indexをみたところ,23例中4例で200以上であった.また,精子濃度が正常のもの,乏精子症,高度乏精子症,無精子症,Klinefelter症候群のandrogen insensitivity indexを比較したところ,造精機能障害が高度となるにつれてこのindexが上昇した.さらに,androgen insensitivity indexが200以上のものとそれ以下のものとの間には血中LHとテストステロンよりみて判然たる区別はつけ難かった.これらのことより,androgen insensitivity indexの上昇は必ずしもアンドロゲン不応症を示すものではないと考えた.
収録刊行物
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- 日本泌尿器科學會雜誌
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日本泌尿器科學會雜誌 75 (9), 1467-1472, 1984-09-20
社団法人日本泌尿器科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571980077266459136
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- NII論文ID
- 110003057146
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- NII書誌ID
- AN00196577
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- ISSN
- 00215287
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles