離人症状を主訴とした解離性障害の1症例
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説明
離人症状を主訴として来院した解離性障害の症例の治療経過を報告する。本症例の離人症状は,養育者から安全感を得られず,継続的なストレスにさらされたことによって生じた解離の防衛機制であり,愛着障害の観点からの治療が必要と考えられた。生育史を理解しその理解を伝え続けることで,治療場面が「安全な場所」として機能し,心の整理が進み他者への信頼感が育っていった。症状の理解が進み対人関係が広がる中で,症状はほぼ消失し,現実の生活において「安心していられる場所」を求めていった。解離性障害の治療においては,苦痛に満ちた患者の歴史に注目することが大切とされる。本症例においてもそのことが確認された。離人症状を主訴として来院した解離性障害の症例の治療経過を報告する。本症例の離人症状は,養育者から安全感を得られず,継続的なストレスにさらされたことによって生じた解離の防衛機制であり,愛着障害の観点からの治療が必要と考えられた。生育史を理解しその理解を伝え続けることで,治療場面が「安全な場所」として機能し,心の整理が進み他者への信頼感が育っていった。症状の理解が進み対人関係が広がる中で,症状はほぼ消失し,現実の生活において「安心していられる場所」を求めていった。解離性障害の治療においては,苦痛に満ちた患者の歴史に注目することが大切とされる。本症例においてもそのことが確認された。
収録刊行物
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- 大阪府済生会中津病院年報
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大阪府済生会中津病院年報 26 (2), 213-217, 2016-03-31
大阪府済生会中津病院
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1571980077690765952
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- NII論文ID
- 120006209461
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- ISSN
- 09185771
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles