愛知県沿岸にある湾の範囲はどこか-

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説明

愛知県の漁業・養殖業総生産量は全国中位程度であるが、船びき網、小型底びき網、潜水器の漁業種類とアサリ類、ガザミ類、シャコ、シラス、トラフグなどの魚介類種では全国有数の水揚げ量を誇っている。愛知県沿岸域には、伊勢湾・三河湾の内湾と太平洋となる遠州灘西部海域という豊かな漁場があり、沿岸漁業を中心とした都市近郊型漁業が営まれている。漁船の操業海域となる伊勢湾・三河湾は愛知県漁業調整規則で範囲が定義されているが、その範囲は国土交通省、環境省などが定めるものと異なっている。これは、それぞれ定められた背景が異なること、湾口部にいくつもの島が存在し境界線を引きにくいことなどが理由と考えられる。定義がいくつもあることは、論文等で海域名称を用いる場合混乱が生じやすく整理する必要がある。また、広義の伊勢湾として三河湾を含める場合や、狭義の三河湾として同湾東部海域のみを、更には知多湾を衣浦湾とする場合があり、これらの名称についても整理する必要がある。今回、愛知県沿岸海域となる伊勢湾、三河湾と後者を2つに分けた知多湾、渥美湾について、法令や規則等により定められた湾の範囲の定義を列挙し、それらが定められた背景について推定した。その上で、地名事・辞典によるそれぞれの湾の定義と地学辞・事典による「湾」の定義を参考に、法令、規則等の中で最も実態的、実用的と考えられる境界について論じ、更に呼称の整理などを行なったのでここに報告する。

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