トマト新品種「みのり」の育成経過と特性

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東北並びに寒冷地帯の加工及び青加兼用の品種育成を目的として,1948年農林省古川農事改良実験所岩沼試験地で,Pritchardを母としVictorを父として人工交配を行い,その後同試験地並びに農林省東北農業試験場園芸部で優良個体の選抜,系統の育成,固定を図り,1957年トマト農林3号に登録され「みのり」と命名された。その特性の概要は次のとおりである。1)草勢はVictorに優るが,主枝,側枝の発達,伸長は少く,矮性である。第1花房の着生節位は6~7節であって,その後は連続的乃至は1~2葉毎に花房を発生し,極端な芯止まりの習性を示す。当地方では6月上旬に開花し,7月中,下旬に収穫できる早生種である。2)果実は赤色で比較的均一に着色する。1果平均重は150g内外でやや小型に属するが,玉揃いはVictorより良好である。果形はやや扁球で花痕の大きさは普通である。肉質は交配親のほぼ中間であってやや粉質で青果にも適する。特にCrackingの発生が少い。3)収量は無支柱栽培(4ヵ年平均反当収量)で8842.5kg,普通栽培(2ヵ年平均反当収量)では3877.5kgである。無支柱栽培でも前期生産の果実品質は普通栽培のものと遜色はないが,後期になると一般に果形はやや小さくなり易い。疫病の耐病性は普通である。4)加工用としてはジユースには適し,ピユレーとしては普通である。5)適応地帯は東北,長野県など梅雨期に降雨の少い地帯である。

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