日本初記録のハゴロモコンニャクウオ(新称)Careproctus zachirus(クサウオ科)

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北海道羅臼町沖のオホーツク海南西部で操業するキチジ刺網漁およびエビ籠漁により2007年,2015年および2016年に7個体のコンニャクウオ属Careproctus Kroeyer, 1862魚類が採集された。本属は,140種以上を含み,クサウオ科の中でもっとも多様化した属の一つであり,北太平洋では約50種が知られている。本属は腹吸盤がある,鼻孔は1対,一般的に胸鰭軟条数は臀鰭軟条数より少ない,体表に特徴的な斑紋がない,擬鰓がないなどで特徴づけられる。日本周辺海域からは24種が報告されている。これら7標本を精査した結果,いずれもベーリング海のアリューシャン列島沖水深300-434mからの標本に基づき新種記載されたCareproctus zachirus Kido, 1985に同定された。本種はアリューシャン列島沖,カムチャッカ半島東部および千島列島北部の水深850m以浅から知られているが,日本周辺海域からの報告はなかった。本研究ではこれら7標本を日本初記録種として詳細に形態記載するとともに,本種の新標準和名の提唱を行った。

Journal

  • 魚類學雜誌

    魚類學雜誌 64 (2), 179-184, 2017-11

    日本魚學振興會

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