放牧による荒廃地の農地活性化技術の確立

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抄録

中山間地域で増大している遊休農地の有効活用法として、和牛の放牧が注目されており、簡易に設置できる電気牧柵利用による和牛放牧が有効な手段である。荒廃地などの野草地や林地において、和牛放牧が実証でき、放牧跡地のノシバ草地化が図れた。1.10年間未利用で灌木が優占した放牧地及びワラビが群生する放牧地において、115日間黒毛和種繁殖牛2~4頭を連続放牧したところ、重放牧による裸地化が進行し、牛道等に植栽したノシバマットは定着しシバ草地化が図れた。2. 県下6カ所において放牧を実証展示した結果、電気牧柵による省力管理の有効性について、土地条件による差はみられず省力管理が実証された。3.当センターで開発した簡易給水システムを、上斎原村営恩原牧場及び矢掛町育成牧場において現地実証した結果、実用化が可能であった。4.放牧跡地のシバ草地化を実証するため、矢掛町育成牧場の1haの急傾斜地においてノシバマットの植栽を行い、延べ作業時間216時間で、作業延人数は27人/8時間作業を要した。放牧跡地にノシバマットを植栽する方法は、機械造成が不可能な急傾斜地でのシバ草地化の有効な方策であると考えられた。

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