生体における酸素の功罪 研究集会報告 2 DNA酸化への防御戦略
-
- 米井 脩冶
- 京都大学大学院
この論文をさがす
説明
すべての生物は常に活性酸素によるDNA損傷を受けている。活性酸素は細胞呼吸などの正常な代謝過程で逃れることのできない副産物として生じる。さらに,放射線などの環境要因が活性酸素の生成を高めることもある。様々な原因によって細胞内に通常以上の多量の活性酸素が生成して,防御系の酸素がその濃度を制御できなくなると,タンパク質,核酸,脂質などの生体成分が非特異的に酸化されるようになる。活性酸素がDNAに反応すると強い酸化反応を引き起こす。その結果,鎖切断を起こしたり,チミングリコールや8-オキソグアニンなどの塩基酸化体を生成して,突然変異や発がんを引き起こす元になることが分かってきた。そのしくみは,複製を妨害したり,誤った塩基対を引き起こすことにある。
収録刊行物
-
- 長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集
-
長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集 16 93-94, 2004
長崎大学
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1572261551775152256
-
- NII論文ID
- 110001715565
-
- NII書誌ID
- AN10391375
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- CiNii Articles