日本人の体格の推移について

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生命保険医学では,体格は古くより大きな関心の一つであり,肥満の疫学は生命保険より始ったといわれる程である。今般,日本人の体格の推移を,約100年間にわたって,平均身長・平均体重・BMI (Body mass index)をパラメーターとして,生命保険加入申し込み者(被保険者)及び国民について検討した。明治18年(1885年)から昭和58年(1983年)までの約100年間の生命保険加入申し込み者の体格の推移を,平均身長・平均体重でみると,男女ともこの100年間,一貫して増加傾向が続いている。一方,肥満のパラメーターとして,相関が高いと言われているBMIをみると,男では,一部の年齢層を除いて,平均身長・平均体重と同様に増加傾向にあり,肥満傾向が続いている。女性では,昭和50年代以降,肥満傾向はやや低下傾向であり,とくに若い女性程顕著であった。このように,男性と女性の体格の推移には(とくに肥満に関して),かなり大きな違いがみられた。

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