農業水路における魚類生息場の簡易評価手法の開発

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抄録

農業水路における生態系配慮施設の簡易なモニタリング・評価手法の構築に向けて,岩手県奥州市の農業水路におけるデータ解析をもとに,水理学的な環境指標に基づく魚類生息場の評価スコアの作成方法を検討した。当水路の19区間において環境指標の計測と魚類採捕を2017年7月に実施し,水深・流速・陸地・植物被覆率・河床材料を説明変数とする評価スコアの計算式を作成した。種数と総個体数を同時に指標として採用するケース1と片方のみを採用するケース2,3について評価スコアを比較した結果,ケース2,3ではスコアが安定せずに過小または過大評価する区間があり,ケース1のように種数・総個体数の両指標に注目することが重要と考えられた。ケース1で評価スコアの高かった区間では,種数・総個体数が高かったことに加え,シャノンの多様度やシンプソンの多様度も高く,総じて魚類生息場として良好だと考えられた。これらの結果に基づき表計算ソフト上でデータ入力と解析を容易に行えるプログラムを作成した。

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