熱帯島嶼パラオ共和国における祭祀にまつわる植物利用と空間構成に関する研究

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  • A Study on Plants Use and Space Structure Related to Ritual Events in Republic of Palau,Tropical Islands of Micronesia

抄録

熱帯地域における農地と林地の混在した伝統的土地利用であるアグロフォレストリーが、持続的土地利用の一形態として注目されて久しく、その維持管理にあたっては、空間秩序を成立させる文化的背景に着目する必要がいわれている。パラオ共和国のアグロフォレストリーのうち、生活と密接に結びついて形成されてきた「家周りの園芸空間」に着目し、植物の利用と空間構成を調査した結果、そこが生や死にまつわる祭祀の舞台であること、祭祀に用いられる植物が空間構成に影響を与え、地域固有の景観を形成していることが明らかになった。同時に、集落構造の変化にともない、伝統的な空間秩序が変化の過程にあることも判明した。

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