術後管理の立場から麻酔医への提言 : 開心術における常温体外循環は, 術後管理を容易にしたか?

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  • Dose Warm Heart Surgery Improve the Cardiac Surgical Patient Care?

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心臓血管外科における常温体外循環の導入による常温開心術は, 開心術術後管理を容易にし, 術後患者の早期回復に役立つかを検討した。常温開心術症例は, 従来の低体温開心術症例に比較して, 術中の体外循環時間と手術時間が短く, ICU収容後は, 体温の回復は早く, 血圧の変動も小さく, 循環動態は安定していた。呼吸器からの離脱も有意に早く, ICUの滞在期間も短い傾向にあり, 術後出血量も少ない傾向がみられた。したがって, 開心術術後急―生期患者の術後管理はICU収容後から始まるのではなく, 手術室での, 特に麻酔科医を中心とした手術チームによって, 術中からすでに始まっているのであるということを強調したい。これらの効果は一施設の開心術症例数を増加させた一方, ICUでは誰が術後の集中治療を管理統括するべきかという問題が残る。患者に対する最終責任は外科医にあると考えているが, ICUでのこの問題は21世紀に持ち越された課題である。

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