在来水産資源生態調査研究

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抄録

本県に在来する水産資源のひとつであるニッコウイワナの系統保存を図るため,在来個体群が生息すると推定された利根川水系鬼怒川の2本の支流(蜂ケ沢,野尻沢)から親魚を採集(平成6年11月),人工繁殖した第一代の魚を飼育管理し,成熟した蜂ケ沢の系統を用い人工授精を試みた。蜂ケ沢系統(地場産)の飼育状況は平成10年3月31日時点の飼育尾数は試験場18尾,養魚所32尾,計50尾であった。野尻沢(地場産)の系統の飼育状況は全てがへい死した。蜂ケ沢の系統の人工受精では試験場内採卵で,6,110粒を採卵した。乾導法により受精を行った。発眼率は,49。9~86。6%(平均71。7±10。7 n=9)となり,ふ化率は,24。1~79。7%(61。3±15。2 n=9)となり3,700尾強のふ化稚魚を確保した。最終的な歩留りは,平成10年3月31日時点で飼育尾数950尾(15。5%)となった。養魚所採卵で12,800粒の卵を確保した。9,450粒の発眼を確認した。ふ化数(率)は,約7,000尾(54。7%程度)であった。最終的な歩留りは,平成10年3月31日時点で飼育尾数約2,000尾であった(28。5%程度)。

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