インドフェノール色素に及ぼす還元剤の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of Reducing Agents on 2,6-Dichlorophenolindophenol
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説明
インドフェノール色素液(pH 6.96)の青色に対する還元剤の効果を検討したところ, 酸化剤同様多くの還元剤が淡色化効果(吸光度の減少)を有し, 同時にその効果は短時間で消失するグループとその効果を長時間安定化することを見い出した。1) 供試した還元剤はすべて淡色化効果(吸光度の減少)を示し, 還元剤濃度(0.4∿4×10^<-5>M)と吸光度(E600nm)の対数と間には良好な直線関係が成立した。淡色化効果は亜硫酸水素ナトリウム>ピロ亜硫酸カリウム>亜硫酸ナトリウム>次亜硫酸ナトリウム>チオ硫酸ナトリウム>黄血塩の順であった。また, アスコルビン酸の淡色化効果は亜硫酸水素ナトリウムよりも大きかった。褐変反応液系でも淡色化効果を示した。しかし, グルコースーグリシン系, グルコース系の透析内液, 透析外液の淡色化効果は小さかった。2) ビロ亜硫酸カリウム, 次亜硫酸ナトリウム, チオ硫酸ナトリウムの効果では, 還元剤の酸素数と吸光度の対数値との間に直線関係の成立により, 分子量の大きい還元剤の方がより大きな淡色化効果を有することが明らかになった。3) 還元剤は貯蔵中の色素溶液に対する影響のし方によって次の4つのグループに分類された。i) 淡色化効果は小さく, その効果の持続性に富むグループ : 黄血塩, チオ硫酸ナトリウムなど。チオ硫酸ナトリウムは深色効果を示した。ii) 淡色化効果が大きく, その効果の持続性に富むグループ : ピロ亜硫酸カリウム。深色効果も示した。iii) 淡色化効果は大きいがその効果の持続性にとぼしいグループ : アスコルビン酸, 次亜硫酸ナトリウム, 亜硫酸ナトリウム, 亜硫酸水素ナトリウムなど。このグループの中でアスコルビン酸以外の還元剤は深色効果を示した。iv) 淡色化効果は大きくないが貯蔵中淡色化が進行したグループ : 褐変反応液(グルコースーグリシン系, グルコース系), このグループの深色効果は小さかった。
収録刊行物
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- 福岡女子短大紀要
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福岡女子短大紀要 20 21-36, 1980-12-31
福岡国際大学・福岡女子短期大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1572543026800939648
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- NII論文ID
- 110001160711
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- NII書誌ID
- AN00216335
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- ISSN
- 02860546
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles