セマンティックギャップに架ける橋
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- 馬場口 登
- 大阪大学大学院工学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Bridge over the Troubled Semantic Gap
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説明
画像,映像など視覚情報から人間の解釈できる意味情報(セマンティックス)を得ることがメディア理解研究の究極の目標である.しかしながら,メディア(映像,画像など)から抽出できる情報く特徴など)と,そのメディアに対する人間の解釈との間の不一致をいうセマンティックギャップが存在するため,メディアの意味理解を困難にしている.すなわち,メディアに対する低レべル記述である信号表現・特微・属性と,メディアのもつ高レべルの概念記述との適切な対応付けの方策,いわばセマンティックギャップに架ける橋が,現在でもなお,構築できない状況にある.本講演では,筆者の取り組みを振り返りながら,セマンティックギャップ架橋への3種類のアプローチを取り上げ考察する.第1は,機械学習・統計的パターン認識の利用である.これは近年最も成功を収めているアプローチで,グラウンドトウルース付きの大規模コーパスの利用が前提となる.第2は,情報統合である.マルチモーダルで実世界の情報を捉え,それらの相互の関係を有効利用するものである.Web空間という大規模知識源はこれを支える重要な要素となる.第3は,ヒューマン中心型コンピューティング,すなわち人間が計算システムに介在する仕掛けである.人間が順次与える高レべル記述と低レべル記述の対応付けを学習しながら意味理解の性能向上を図るものである.これらのアプローチを吟味しながら今後の展開を議論したい.
収録刊行物
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- 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
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電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 110 (381), 289-, 2011-01-13
一般社団法人電子情報通信学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1572543026918396544
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- NII論文ID
- 110008675800
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- NII書誌ID
- AN10541106
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles