環境音認識のための最尤状態数の検討

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近年,安心・安全な生活環境を実現するために,防犯システムが広く用いられている.特に住居への不正侵入や異常事態の検出を目的として,監視カメラが使用されている.しかし,監視カメラは暗所や死角においての異常検出が困難であるという問題が存在する.この問題を解決するために,日常生活において発生する環境音を利用した異常音検出システムが提案されている.環境音を認識し,音事象を特定することで,異常音を検出することができるため,即座に住居の管理会社や警備員に異常事態を報知することができる.従来,環境音認識法として,Hidden Markov Model(HMM) を用いた手法が広く研究されてきた.HMM は時間変化に伴うスペクトルの変動を統計的にモデル化したものであり,HMM の状態数は信号列の状態遷移に関わる重要なパラメータである.環境音は短時間に減衰する単発音や長時間持続する音,定常な音や非定常な音など,環境音によって継続長や定常性などの音響的特徴が大幅に異なるため,HMM の最尤状態数は環境音によって異なると考えられる.しかし,従来法では,各音響モデルは全て同じ状態数で構築されていたため,認識性能が劣化する問題があった.そこで本稿では,環境音の認識性能向上を目指し,環境音の音響的特徴に基づき最尤状態数を推定し,各環境音で異なる状態数の音響モデルを用いて環境音を高精度に認識する手法を提案する.評価実験の結果,提案法の有効性を確認した.

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