IMUを用いた剣道の素振り稽古における打突動作区間の検出手法

抄録

スポーツ分野において,競技者のトレーニングプロセスの強化やパフォーマンスの向上に情報通信技術(ICT)が用いられる機会が増加している.特に,慣性計測装置(IMU: Inertial Measurement Unit)を搭載したスマートフォンやスマートウォッチの普及に伴い,IMUから得られたデータを解析することは,これまで注目されていなかった様々なスポーツのパフォーマンス分析において大きな可能性を秘めている.本稿では,日本の伝統的な競技として認知されている剣道に着目し,IMUを用いて取得された,連続して行われた複数回の素振りの時系列データから,打突動作区間を検出する手法を提案する.具体的には,14名の被験者(剣道経験者:7名,未経験者:7名)を対象に,右手首,腰,竹刀鍔,竹刀先革の4箇所に取り付けられたMEMSセンサ上のIMUから時系列センサデータを取得し,あらかじめセグメント化された教師データと時系列データのスライディングウィンドウのDynamic Time Warping(DTW)距離を算出することで打突動作区間を検出する.その結果,右手首に装着されたIMUより得られた時系列データからF値:0.944の検出精度で打突動作を検出できることを確認した.他の部位にIMUを装着した場合でもF値:0.9を超える結果を得た.また,剣道経験の有無に着目すると,IMUを竹刀に装着した際に未経験者の検出精度が低下したことから,DTW距離データが打突動作の評価の一要因となる可能性を示した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050011097152630528
  • NII論文ID
    170000180628
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00199844/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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