採石場における酸性排水の形成(第一報)

この論文をさがす

抄録

採石場の酸性廃水から,硫酸を生成する細胞を分離した。本菌は運動性を有するグラム陰性の桿菌で,寒天培地上では0.5mm以下の微小なコロニーを形成する。エネルギー源として,チオ硫酸塩をすみやかに酸化し,等モルの硫酸を生成した。又,イオウの場合には,誘導期の後,増殖と共に硫酸を生成し,最終培地pHは2以下に下がった。しかし,初発培地pHが酸性では,増殖も硫酸の生成も起こらなかった。なお,2価鉄イオン,硝酸塩を,それぞれ,エネルギー源及び最終電子受容体とする事はできなかった。本菌は酵母エキスを除き,従属栄養条件下では生育できなかったが,チオ硫酸塩培地にグルタミン酸,コハク酸,ピルビン酸を添加する事により,増殖及び硫酸の生成は,著しく促進された。一方,クエン酸,酢酸は阻害効果を示し,グルコースはそれ程の影響を与えなかった。これらの性質より,本菌は,Thiobacillus intermediusと同定される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ