合成培養液でのスナネズミ胚の発生

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抄録

スナネズミ2細胞期胚を修正M16培養液で培養した。グルコース5.0mM1(-1)を含む培養液においてNaClの量を変え浸透圧を280、290、300、310mMにした場合、2細胞期から8および16細胞期への発生がみられた。1細胞から16細胞期の胚を生体から採取直後と培養後の胚の14C-メチオニンの取り込みと酸化を比較検討した。その結果、採卵直後の卵子の14C-メチオニンの取り込みと酸化は8細胞期以降急増した。一方、採取後1時間培養をした卵子はhCG投与後115時間の16細胞期において胚発生過程でみられる胚側の複写活性の指標となるタンパク合成量が最も低くなった。培養後のリン酸とグルコースの影響を調べた結果、リン酸を含まない培養液では、グルコースは2細胞期から8細胞への発生を促進し、低濃度のグルコースはスナネズミ2細胞期から8細胞期への発生に必要であった。これらの結果から、着床前のスナネズミ胚は低濃度のグルコースを含む既知培養液で培養出来る可能性が見出された。

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