畑作物の種類による跡地土壌の変化並びに後作への影響(8)
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説明
第5報において報告した,陸稲・甘藷・大豆・粟(またはそば),及び休閑区跡地に小麦・裸麦及び菜種を栽培して,夏作物の種類を異にした跡地における後作物の生育収量について検討を加えた。1. 小麦はがいして大豆跡地がすぐれ,陸稲跡地で劣っていた。これは陸稲と小麦の必要とする養分が類似しており,両者が競合関係に立っているためと思われる。2. 裸麦も小麦とほぼ同様の傾向を示した。3. 菜種は麦類とことなり前作物の種類による影響が少い,しかし1954年には,麦類とはことなり大豆あとがやや劣る傾向があったが,両作物の石灰吸収量が多く,これが制限因子となったのではないかと思われる。4. 休閑跡地における麦類の収量は作物栽培跡地と大差のない場合が多かった。しかし傾向として陸稲跡よりはすぐれるが,甘藷・大豆及び粟跡よりはやや劣る。また菜種では休閑跡が粟あとより劣り,陸稲・甘藷及び大豆あとよりもすぐれる傾向がみられる。5. 冬作物跡地2作目の小麦にも前前作である冬作の影響がみられたが,跡作1作目でよい成績を示した菜種やルーピン跡地が逆に2作目ではわるかった。夏作物跡地2作目の陸稲収量についても前前作の夏作の影響がみられ,第1作目と同様に陸稲あとがもっともわるかった。
収録刊行物
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- 九州農業試驗場彙報
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九州農業試驗場彙報 4 (3), 371-382, 1957-08
九州農業試驗場
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1572543028117954304
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- NII論文ID
- 220000124390
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- NII書誌ID
- AN00260574
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- ISSN
- 0451162X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles