標本に基づくDiagramma melanacrumヒレグロコロダイ(新称)の日本からの記録(スズキ目イサキ科)

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説明

コロダイ属Diagramma Oken, 1817は,下顎下面にひげがない,正中線に沿った溝がない,背鰭起部に前向棘がない,および背鰭棘条数が9-10であることなどで特徴づけられるイサキ科魚類である。Johnson et al. (2001)はインドネシア産の5標本に基づき,Diagramma melanacrum Johnson and Randall, 2001を新種記載し,さらにコロダイDiagramma pictum (Thunberg, 1792)を地域別に5亜種に,すなわち本属を2種5亜種に分類した。本属魚類はインド-太平洋の岩礁域,サンゴ礁域およびその周辺海域に生息しており,日本近海からはコロダイのみが知られていたが,2011年,西表島の刺し網漁でD. melanacrumに同定される1個体が採集された。本種はこれまでSenou et al. (2007)や島田(2013)により宮古島と石垣島から報告されたが,いずれも水中および釣獲写真によるもので,標本に基づく日本近海からの記録はなかった。したがって,本標本は本種の確実な日本初記録であり,本研究において詳細な記載とともに新標準和名を提唱する。

収録刊行物

  • 魚類學雜誌

    魚類學雜誌 64 (2), 139-143, 2017-11

    日本魚學振興會

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