GAによる生物生産物資の最適輸送経路の探索

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抄録

生物生産物資の輸送コストの低減を目的とする輸送(配送・集荷)経路の最適化問題に対して,確率的探索・学習・最適化の一手法である遺伝的アルゴリズム(GA)を援用し,輸送コストの中で特に全行程の燃料コストを最少とする最適輸送経路探索のための基本的なシミュレータをC言語により開発した。近年のカーナビゲーション技術の進歩は著しいにも関わらず,実際の流通においては日々異なる配送や集荷といった輸送条件下の燃料コストに厳密に個別対応した輸送はほとんど行われていないのが現状であるため,GAに基づく最適経路探索の有効性の紹介および実用シミュレータ開発の知見を得るために,県単位の広域地域を対象として準備的な輸送経路探索シミュレーションを行った。シミュレーションの結果,空荷走行と配送走行では,燃料コストを最少とする輸送経路が異なるとともに,GAによる探索結果の燃料コストの平均値は,比較検討のために行ったランダムサーチ(RS)による同コストの平均値に比べて安価となり,コスト削減効果が認められた。さらに,輸送量が同じ配送走行と集荷走行について解を比較したところ,最適輸送経路は異なっており,開発したシミュレータの燃料コスト削減に向けた機能が十分働いている事が明らかとなった。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 (151), 18-26, 2016-12

    農業施設学会

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