<研究論文>ジョセフ・シマと<大いなる賭(ル・グラン・ジュ)>の教訓

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タイトル別名
  • La lecon de Josef Sima et du <Grand Jeu>

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説明

〈大いなる賭〉は,長い間シュルレアリスムの単なる亜流の小グループのように見なされるか,あるいはまったく無視されてきた。近年になって,アンドレ・ブルトン派シュルレアリスムに対するその独自の批判的立場が,西欧同様に日本でも見直されはじめている。しかし,〈大いなる賭〉の文学グループの創設に参加したただ一人のチェコ出身の画家ジョセフ・シマについては,彼の画業の全体はもちろん,<大いなる賭>時代の絵画も,日本では知られていないままである。このすぐれた画家の名と,彼の魅力的な数多くの作品が,いまだにわが国に知られていないのは不思議である。それは,日本の近代美術の成長過程における偏頗な西欧主義の特性に起因すると思われる。この試論は,このような観点から,日本の近代の美術の,特に30年代のシュルレアリスム絵画の,西欧主義的な典型的性格,すなわち非地方主義的な首都志向の矛盾した教条主義の問題を論じる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572824501632739328
  • NII論文ID
    110000469342
  • NII書誌ID
    AN10065429
  • ISSN
    09147543
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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