遊離空腸移植による下咽頭・頚部食道再建 : 術式の検討と治療成績について
書誌事項
- タイトル別名
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- Free Jejunal Transfer for Reconstruction of Pharyngeal and Cervical Esophageal Defects : Surgical Procedure and Results
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説明
今回我々は,1992年4月から1995年3月までの3年間に,10症例の下咽頭・頚部食道癌に対して遊離空腸移植による頚部食道再建術を施行した。下咽頭癌9例,頚部食道癌1例であり,腸管吻合は咽頭-空腸を端側吻合,食道-空腸には端端吻合を行い,血管吻合はルーペまたは顕微鏡を使用した。腸管吻合の後に血管吻合を行ったため,阻血時間は平均3.8時間と長かったが,腸管の冷却や潅流を行わなくても,特に治療成績に影響を与えるようなダメージを認めなかった。早期合併症として移植腸管壊死が1例認められたが,縫合不全,創感染などの合併症は認めなかった。この症例には再度,遊離による回腸移植術を施行し,生着した。晩期合併症として咽頭-空腸吻合部に狭窄を1例に認めたが,内視鏡ブジーによって軽快した。遊離空腸移植は頚部食道再建に最も有用な再建法であり,形成外科の立場から手術法,治療成績について,文献的考察を加えて検討した。
収録刊行物
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- 北里医学
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北里医学 25 (4), 381-388, 1995-08-31
北里大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1572824501808599040
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- NII論文ID
- 110004696824
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- NII書誌ID
- AN00052147
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- ISSN
- 03855449
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles