DMSOと除草剤との混用効果に関する研究

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タイトル別名
  • Studies on the Mixing Effect of DMSO with Herbicides

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説明

溶剤として使用されているDMSOを除草剤に添加することにより,その殺草効力が増強されうるか否かを調べ,併せてDMSOの浸透作用等について,2,3の検討を行なった結果,(1)接触型除草剤NaCNO, PCP-NaにDMSOを添加し,温室内に育成した幼植物に茎葉処理を行なったところ,その殺草効果の増強は0.1〜5%添加濃度においては顕著でなかった。(2) DMSO水溶液の〓紙への浸透作用を調べた結果,添加濃度の増加に従って浸透力は大となり,またDMSOを除草剤に添加した溶液では,わずかにDMSO水溶液の場合より浸透力は低下するが,除草剤のみの溶液の浸透力に比しておよそ1.35〜1.46倍の浸透増大効果が認められた。(3) DMSO添加PCP-Na溶液を〓紙にて上昇法により浸透させ,薬剤をも浸透させる作用があるかどうかを分析および発芽試験により検討したところ,いずれの場合においてもDMSO最高浸透部までは,均一にPCP-Naを浸透させる作用は認めがたい。(4)キウリ生葉を用いてDMSO添加NaCNO溶液の浸透作用を薬剤反応像について検討した結果,明らかにDMSO添加による反応像の拡大は認められた。(5)次に吸収移行型除草剤MCPPにDMSOを添加し,殺草力試験を行なったところ,除草効力の増強は添加重3%前後で明らかに認められるが,充分なる除草効果を期待するには,さらに5%以上での使用を必要としよう。(6)トマトテスト法でDMSOを添加したβ-IAAの浸透作用について検討したところ,屈曲角の増大は明らかに認められたが,顕著ではない。(7)移行型薬剤へのDMSO添加は,接触型薬剤への添加に比して効果の発現は大きい。(8)その他キャベツ生葉等を用いた2,3の実験結果から,充分なるDMSOの混用効果を期待するためには,今後主薬の選定,添加濃度の検討および実用上よりみた経済性等について検討する必要があろう。追記:本報校正中にWeeds 14,195〜197(1966)にW. PowELL ANDERS0NらはDMSOの土壌処理によってハマスゲの発生が抑制できることを報じている。

収録刊行物

  • 雑草研究

    雑草研究 5 147-151, 1966-12-25

    日本雑草学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1572824502269145216
  • NII論文ID
    110003930921
  • NII書誌ID
    AN00097258
  • ISSN
    0372798X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • CiNii Articles

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